マゴットセラピーとは |
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マゴットセラピー(医療用ウジ治療:Maggot Debridement Therapy; MDT)とは、ある種のハエの幼虫が動物の壊死組織だけを摂取する性質を利用し人体の難治性創傷を治療する方法です。これまでに糖尿病性潰瘍・壊疽、下腿潰瘍、褥瘡(床ずれ)、その他難治性感の創傷などに対する有用性が報告されています。 マゴットセラピーの詳しい情報は以下の表を参考にご覧下さい。
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マゴットセラピーの歴史 |
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マゴットセラピー(うじ治療)の歴史は古く、古代マヤ文明やオーストラリアのアボリジニー社会、ビルマの伝統医療などでは数千年前より行われていたとの記録があります。 近代になるとアメリカ南北戦争や第一次世界大戦の戦場においてハエの幼虫(マゴット)がわいた傷口の方が早く治っていくことが軍医に報告されていました。 |
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19世紀になりマゴットセラピーがアメリカにおいて初めて西洋医学に取り入れられてからは広く欧米にて普及し、アメリカだけでも300以上の病院でマゴットセラピーが行われ、その文献報告は100編以上にのぼりました。その後各種抗生物質の誕生と普及、そして手術手技の発達により難治性の創傷は減っていき、それとともにマゴットセラピーも徐々に衰退の一途をたどるようになりました。 しかし1980年代になり抗生物質の乱用による薬剤耐性菌の出現や、食生活の欧米化による糖尿病性壊疽やその他の難治性創傷が増加するとともにマゴットセラピーが再び脚光を浴びるようになりました。 |
マゴットセラピーの国内外の現状 |
英国では1995年NHS(国民健康保険)に、米国では2004年FDA(食品医薬品局)に既に認可され欧米を中心に広く普及しています。 2012年現在世界40か国以上にて難治性創傷の治療に取り入れられています。本邦においては2004年に初めての治療が行われ、以後全国において徐々に関心が高まってきています。 |